【レポート】AWS の提案、ニューノーマル時代のリテールソリューション #AWSSummit
はじめに
こんにちは、おおはしりきたけです。 みなさん AWS Summit Online 楽しんでいますでしょうか。
本記事は AWS の提案、ニューノーマル時代のリテールソリューションのレポートとなっています。
セッション概要
スピーカー
- アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 流通・サービスソリューション部 部長 五十嵐 建平氏
概要
消費者の購買行動に大きな変化が起きています。流通小売業では、実店舗、EC サイトともに新たな消費行動に応じた対応が課題で、本オンラインセミナーでは、これからのニューノーマル時代を見据えた店舗や EC サイトを通じた新たな購買体験を支えるアーキテクチャー、流通業界向けの AWS の最新の取り組みをご紹介します。
セッション視聴のリンクは こちら。
セッションレポート
アジェンダ
- AWSにおけるリテールワークロード
- ニューノーマル時代の課題に向き合うDXの推進
- DX成功のためのレガシーマイグレーション – ECサイト
AWSにおけるリテールワークロード
お客様の行動進化
- 多くの消費者が購入時だけではなく、購入前、購入後の体験に高い品質を求めている
- パーソナライズされたレコメンデーションやサクラが排除された口コミ
- スムーズな返品、コンテキストを理解したサポート
- バリューチェンの中の全てのデータが顧客の ID に紐付きすぐに分析できたり利用できたりする必要がある
リード獲得に立ちはだかる制約
- レガシーな資産がブロッカーになる
- オンプレミスで分断され統合したビューを利用しても無理が生じる
- AIやメールを利用すべきだと考えても、金銭的時間的コストが高く手が出せないこともある
- この制約をクラウド化で解決したいと考えている
お客様を起点とする本来の姿
お客様の行動を可視化し、体験を向上させていく仕組みに変革していくそれがゴール
流通・小売業のクラウド利用トレンド
- デジタルトランスフォーメーションを実行していく、クラウドネイティブベースの青の線
- 既存の仕組みを改善していくレガシーマイグレーションの黄色い線
この二つを並行して進めることで蓄積された経験をもとにお客様へ新たな体験をすることが可能
ニューノーマル時代の課題に向き合うDXの推進
消費行動をしたい/楽しみたい
- 消費者が消費行動したい楽しみたいと言った時に今までとは違った判断が出てきている
- 店舗に行かないで済ませたい用事を済ませたアットホームな要件
- 店舗に行くとしても空いている店舗しか空いてる時間帯に行きたいキープディスタンスな要件
- 店舗に行ったとしても、できれば人に会わずにできるだけ短く済ませたいという要件
店舗に行かずに済ませたい
- ECチャネルを拡大していきたい、店舗をオンラインで活用したい
- 目指すべきことは、オンラインとリアルの統合
- オンラインとリアルの統合というのは、やむえずECサイトを活用するというネガティブものではなくむしろチャンス
- 店舗とECを融合させ拡張した購買体験を、お客様に提供していくことが可能となる可能性がある
ECサイトの体験を高める店舗の活用アイデア
- カリスマ店員によるインフルエンス
- 店舗での⼤⼈数向けライブ動画を⽤いたECサイト経由の販売
- ライブコマースのスタジオとしての店舗
- 店舗で少⼈数のお客様とオンラインで会話をしながらECサイト上で商品を販売
- お客様データを取得してECサイトに連携
- 接客で得られるデータをECで利⽤
カリスマ店員によるインフルエンス
- Amazon Interactive Videoサービスで、数秒もしくは10秒程度の遅延で、RTMPS 通信を簡単に実現してこれをもとに配信できるプラットフォーム - JavaScript ペースでサイトに埋め込むようなことも簡単にできる - インタラクティブなライブなユーザーインターフェースというものを簡単に作成可能
ライブコマーススタジオとしての店舗
- サイトに埋め込まれているビデオコールを始めたをクリックするとスタンバイしている店員さんと繋がる
- 会話を通じて実際にプライベートな体験をすることができる
- 店舗にいる店員さんとお話をして、その会話の中で必要な情報を得て購買に至る流れ
- 試着をしてみたいと場合は、会話の中で来店予約などが行える
Amazon Chime SDKによるECサイトへの双方向配信の統合
- Amazon Chime SDK を利用すると、少人数で双方向のインタラクティブサービスが実現可能
- お客様のブラウザ店舗のブラウザ上でスピーカーを使うとAmazon Chimeメディアサービスと通信をしてWeb RTSで動画を配信を行う
- ルームを作成する管理者側からルームを作成したりお客様側からルームに参加するというような形で、双方向通信のマッチングした上で双方向通信が始まる
Amazon Chime SDK: 既存のアプリやサイトにリアルタイムコミュニケーションを迅速に導⼊
- 素早い構築
- SDK を統合
- WebRTCの複雑さを抽象化
- 迅速な市場投⼊
- 運⽤のシンプル化
- 14のAWSリージョンでエンタープライズのニーズに対応
- 事前構成済みデプロイメントは不要
- 既存アプリの拡張
- 公衆電話網のコール管理
- AI/ML 機能の追加
- イベント駆動のワークフロー
Amazon Transcribe: ⾳声を⽂字情報に変換
⾳声をテキストに変換するマネージドサービス
- S3 に格納された⾳声データおよび,
- ストリームで流れてくる⾳声データに対応
- 通常⾳声と電話⾳声 (8kHz) の両⽅をサポート
- カスタム語彙を登録することが可能
- 複数話者の認識や句読点の⾃動補完
- 発話されたタイムスタンプと書き起こしの信頼度を出⼒
Amazon Comprehend:テキストからインサイトや関係性を検出
⼊⼒されたテキストに対してさまざまな分析を実施
- エンティティ・キーフレーズ抽出
- ⾔語認識・センチメント分析
- トピックモデリング
空いている店舗/時間帯に行きたい
- 店舗や空いてる時間帯に行きたいというお客様に対して計算をする
- 機械学習を使うか、現在の状況をデバイスIoT的なものを使ってデータを活用して分析する
より安全・安心を届けるために
店舗の皆様が、より安全安心を届けるために色々な悩みがある中で、二つ取り上げたい
- 混んでないか心配:POSデータを使って時間帯別の混雑予報を出す
- 短時間でほしいものをみつけたい:お客様の購買、行動履歴等を使ってアプリやサイトなどで個別にレコメンド
混んでないか心配:Amazon Forecastを活用する
- どのように行うか
- 来店計画⽇の混雑具合を事前にお知らせ
- POSデータを活⽤し、予測値を算出する
- 予報はアプリやチラシなどで配信
- Amazon Forecast
- Amazon.com でも利⽤されている技術を活⽤して⾼精度な予測を実現
- 過去の時系列データから将来の時系列データを予測するサービス
- 時系列データ予測で⼿間となる、データセットの作成 、前処理・学習、デプロイが数クリックで可能
短時間でほしいものを⾒つけたい:Amazon Personalizeを活用する
- どのように行うか
- 短時間のお買い物でも満⾜いただける訴求
- 顧客属性情報と、購買/⾏動履歴を活⽤
- 店内サイネージやお客様のアプリに配信
- Amazon Personalize
- ユーザー向けにパーソナライズしたレコメンデーションを簡単に追加できる機械学習サービス
- 数クリックで学習簡単に使える
- 質の⾼い推薦
- リアルタイムイベントを反映したレコメンデーション
- ユーザー向けにパーソナライズしたレコメンデーションを簡単に追加できる機械学習サービス
自身で構築可能なアプリやサイネージでのレコメンデーション
- オンラインストアで得られた購買履歴、または行動履歴モデルをお客様のIDごとに作成
- 店舗で入店した時なのか、カメラの画像なのか色々方法で、個人を特定
- 特定したお客様に対してレコメンデーションサイネージ、またはアプリに対してレコメンデーションを出す
できれば人に合わずに短く済ませたい
- 店舗内で実現するとなると、セルフサービスでのレジを通らない決済手段
- Grab & Goと呼ばれる商品を手にとって店舗からでるだけで良い
- このような話は昔から検討され、PoCもされてきており、実際に高い要望がある
店舗におけるオムニチャネル
- 自動販売機
- 無人販売店舗(Amazon Goのようなもの)
- オンラインで購入したあとにピックアップするBOPIS
- 今回は自動販売機に着目していく
お客様視点での体験の流れと実現方法
AWSのソリューションアーキテクトの方が作ったスマートクーラを紹介。
- ユーザー認証はAmazon Payのユーザー認証
- ロックが解除され、商品を取り出したあとに画像認識で前後の差分を比較
- 判定後購入した商品のレシートが発行される
- GreengrassのCoreでデバイスの制御とクラウドへのAPIのキック
- 画像などはS3にあり、Sage Maker側で画像認識の学習と推論エンドポイントの提供
- これらを全部最初から行うのは難しいということでレシピを公開した。
- レシピ(日本語)
- 内容
- ⼿順書
- 部品表
- サンプルコード
- CloudFormation テンプレート
- AWS Blog: https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/smart-cooler/
- レシピ: https://github.com/aws-samples/smart-cooler
- 内容
DX成功のためのレガシーマイグレーション – ECサイト
- デジタルトランスフォーメーションを成功させるためにレガシーマイグレーションしていく中でECサイトの事例を紹介。
- なぜマイグレーションが必要かと言うとDXのシステムがバラバラで独立して基幹システム群から単にデータを貰って短期の実現してほしくない
- 本来は、基幹システムとDXのシステムがシームレスにお互いに日々改善を行う世界を実現するということを目指すべきだ
マイグレーションによりシームレスなデータの流通を実現
- オンプレミスにおけるECでは典型的な3層アーキテクチャで実現されている
- ロードバランサ、Webサーバ
- APサーバー
- データベース
- まずは、単純なLift & Shiftと言われる単純な移行からスタート
- リージョンは1つ利用
- オンプレミスで表現されていた耐障害性要件以上になるようにアベイラビリティゾーンマッピング
- 商用データベースを使われているのであればライセンスを持ち込み
- 一つポイントとなるのは、 Amazon Cloud FrontやLoad BalancerやRoute53を利用することで信頼性とコスト効率が、最初の段階確保できる
- Amazon.comの事例
- Route53、CloudFrontを利用することに酔って、秒間100万トランザクションの高いリクエストをさばくことができるようになっている
継続的な進化とコスト最適化
最初にLift & Shiftでやる時にトータルコストの比較を行うことが多いが、実際には移行後にインスタンスをサイジングを行ったり、最終的なサーバーレス化することで、始めて本当のトータルコストが出てくる。移行後にもコスト削減が可能であるというところが、クラウドにおけるマイグレーションの特徴。
- Sainsbury社におけるECサイトの課題(商用APサーバー)
- ⾼い運⽤コスト
- ピーク時にスケールしない
- 脆弱なプラットフォーム
- 環境の奪い合い
- 変更できないシステム
- 制限された災対環境
- これらの課題をAWSソリューションで解決
- リアーキテクト
- 迅速なPoC
- 商用DBから7TBのRDSへ移行
結果として以下のような効果を得られた
所感
AWSの様々なサービスを活用することで、新しい購買体験の提供を行うことが素早くでき、それを活用して顧客体験を上げていくことができる。そういう時代が来ており、いち早くこれらのソリューションを活用していける事業会社がさらなる成長をしていけるのだと思いました。